海外のプログラミング教育事情

海外のプログラミング教育事情


日本のプログラミング教育

2020年から小学校においてプログラミング教育が必須化されました。日本のプログラミング教育で最も重要視しているのは、技術ではなくプログラミング的思考を学ぶことです。とはいえ、国内のIT技術者は圧倒的に不足している状況で、今後人材不足が解消される見込みすらたっていません。小学校でプログラミング教育が必須化されたことで、プログラミングに関心を持つ子どもは確実に増えるでしょう。早いうちからプログラミングを学ぶことで、日本の将来を担うIT人材を育成できるという期待もあります。プログラミング教育への関心は、程度の差こそあれ世界各国共通です。プログラミング教育のあり方もさまざまで、早期にプログラミング教育を導入している国もあればハイレベルなカリキュラムを実施している国もあります。

海外のプログラミング教育

海外に目を向けてみると、すでにプログラミング教育に力を入れている国が数多くあります。特に先進国ではその傾向が顕著に現れています。イギリスでは、G20の中で最も早期にプログラミング教育を導入した国として知られています。イギリスも日本と同様にIT系の人材不足が深刻で、技術者の育成が急がれています。プログラミング教育の開始時期は5歳からとかなり早く、基本的な操作からプログラミング言語を使ったプログラム作成まで学べるようカリキュラムが設計されています。日本のようにプログラミング的思考を身につけることを第一の目的とはせず、プログラミング技術を身につけ応用することを目標としたカリキュラムが実施されている点に注目できます。
2016年からプログラミング教育を開始したフィンランドでは、簡単なプログラムの作成などから基礎を学ぶカリキュラムが実施されています。イスラエルのIT技術は、世界でも最先端といわれています。プログラミング教育の開始時期は高校からと決して早いほうではないのにもかかわらず、プログラミング教育において大きな成果を上げています。その理由のひとつは、十分な授業時間の確保にあります。プログラミングに触れる程度のカリキュラムではなく、専門教育の一環として主要科目と同程度の授業時間数が割り当てられています。教育内容のレベルも他国と比べて極めて高く、サイバー攻撃対策など実用的な技術の習得に力を入れています。その結果、世界中の企業がイスラエルの技術を高く評価するようになっています。世界のプログラミング教育と比較すると、日本のプログラミング教育はややゆるめの印象です。しかし、プログラミング教育が新たな世界を知るきっかけとなり、未来の技術者を育成することにつながっていきます。